貴重な時間とお金をかけて治療をした状態が長続きすること、大切な歯を削ったり抜いたりしないで済むことが患者さんにとって幸せなことだと思っています
そのため当院では治療が終わった患者さんに、ずっと健康なお口でいていただくために、定期的な歯周病・虫歯予防プログラムをおすすめしています
①お口の中のチェック(虫歯の有無、初期虫歯が進行していないかなどのチェック)
②歯周病の検査
・ポケットの深さを測る
・歯の揺れが無いか調べる
・歯茎からの出血の有無を調べる
・ブラッシング状態の確認
③歯周ポケット内の洗浄
④歯の表面の清掃
⑤必要があればブラッシング指導
⑥初期虫歯の部位があればフッ素塗布
歯周病は歯を支えている骨が少しずつ溶けて、最終的には歯が抜けてしまう病気です
成人の約80%がかかっている歯周病ですが、初期の段階では自覚症状が全く無いことが多く、中等度以降になって初めて症状が出始め「おかしいな」と気づく方が多いです
溶けてしまった骨は再生することはありませんし、全く元の健康な状態に戻すことはできないので、悪くならないようにしっかり予防・管理することが非常に大切です
歯を失う原因の多くは歯周病と虫歯で、歯周病は全体の4割を占めています
虫歯が無い人も、歯周病になってしまえば歯を長く保つことはできません
成人の歯の本数は28本(親知らずが生えている方は32本)ですが、美味しく食事をするためには最低でも20本以上の歯が必要です
歯周病で歯を失った本数(7499人中)
歯周病で歯を失うリスクは40代から高まり、50、60代がピークです
特に女性の方は閉経後に歯周病のリスクが高くなることが多く、注意が必要です
70,80代ではリスクが減っているように見えますが、これは50、60代で歯を抜いてしまったためです
お口の中の歯周病菌を完全になくすことはできないため、歯周病は再発しやすい病気です
1度治療して進行が止まった歯周病も、きちんと毎日ケアをしないとすぐに再発してしまいます
歯周ポケットの細菌は治療終了後4~11週でもとに戻り始め、3~6か月でもとの状態より悪化するリバウンドが起こることが分かっています
そのため、リバウンドが起こる前のメンテナンス(歯科医院でのケア)が必要になり、その間隔は3~6か月ごとに行うのが一般的です
ご自分でのセルフケア(ブラッシング)と歯科医院でのプロフェッショナルケアは車の車輪のようなものです。どちらかが欠けてもお口の健康は守ることが出来ません
ほとんどの方は痛みや腫れが出てから受診されるため、辛い思いをして治療をされたと思います
しかし、健康を維持するためのメンテナンスは苦痛はほとんどなく、むしろ爽快な気分を味わえることでしょう