妊娠された方はこれから生まれてくる大事な赤ちゃんのためにまず妊婦歯科検診を受けることをお勧めいたします
妊娠中に口腔内の環境を整えることは、正常な分娩や赤ちゃんの発育に良い影響をもたらします
妊娠中のお口の変化として
①虫歯が増える、虫歯が悪化する
→つわりで歯ブラシがしっかり出来ないため
②歯茎が簡単に腫れる
→女性ホルモンが増えると、一部の歯周病菌が増加するため
などが挙げられます
妊娠性の歯肉炎は歯茎周りのブラッシングをしっかり行い、歯科医院でポケットの中を洗浄してもらうなど、口腔内を清潔にすることで、治療・予防できます
妊婦さんが歯周病の場合は、早期の治療が必要です
歯周病菌の出す毒素が血流に乗って子宮に届き、子宮の収縮を早めることによって早産を引き起こすことが知られています
歯周病の程度は軽度~重度まで様々ですが、重症になるほどに早産のリスクは早まります
アメリカの研究結果では、早産、低出生体重児のリスクは、タバコや年齢などの要因よりも歯周病の方が高く、7.5倍も!
初産になると8倍近くになる
歯周病の検査は以下の通りです
①歯茎の溝(ポケット)の深さを測る
②出血の有無を調べる
③歯の揺れを知らべる
④レントゲンで骨の吸収程度を調べる
(妊婦さんのレントゲン写真ですが、レントゲンの線は通常、首から上を通過することと、子宮を保護するエプロンをかけて撮影するため赤ちゃんには影響はありません)
妊娠中は口腔内を清潔に保つため、2~3か月に1度隅々までクリーニングしてもらいましょう
妊婦さんはいつでも歯科治療が出来るわけではありません
クリーニングや浅い虫歯の治療であればほとんど問題ありませんが、麻酔を使うような比較的深い虫歯治療、歯の神経を取ったり、抜歯などは妊娠中期の安定期にしか行えません。初期や後期にそのような状態になっても応急処置しか出来ないのが現実です
出産間際になって、歯の痛みで来院される妊婦さんもおりますが、そうならないように、安定期の内に治療すべきところはしっかり治療して、安心して出産していただきたいと思います