みなさん、こんにちは
くぼた歯科医院 歯科医師の晃子です
最近歯の痛みを訴えて歯科医院に来る患者さんのうち、虫歯が原因でない方が増えてきているように感じます
「歯周病で歯が動いて噛むと痛い」、「知覚過敏で歯がしみる」といった方もいらっしゃいますが、明らかな原因が無いように見えるのに、歯痛でお困りの方は一体なにが原因でしょう?
歯に原因が無い痛みのことを「非歯原性疼痛」と私たちは呼ぶのですが、実はこの痛み、口の中の筋肉や筋膜の緊張から来るものと考えられています
緊張を引き起こす原因は、無意識に行っている『噛みしめ』です
噛みしめというと、グッと歯を食いしばるイメージかもしれませんが、実は上下の歯が軽く触れた時点で、噛みしめの問題が起こっているといわれています
私たちの上下の歯は、正常な場合、唇を閉じているときでも2~3mmの隙間があります
上下の歯が接触するのは、物を噛むときや言葉を発するときだけで、1日に合計で十数分程度と言われています
ところが、骨格のずれや強いストレスなどによって、上下の歯が持続的に接触している人がいることが分かりました
歯と歯が触れていると、本人が思っている以上に多大なストレスが、歯や顎、側頭部や首、背中の筋肉にかかり、この状態が慢性的に続くことで、歯や顎に痛みや違和感をもたらします
噛みしめが原因の歯の痛みは、朝の寝起きのときに多く、口が開きにくくなる症状が出ることもあります
また、噛みしめ癖が偏頭痛や肩凝りにつながることもあるので注意が必要です
噛みしめ癖があるかどうかは、ご自身の口の中を見てみてください
頬の内側の粘膜に、歯に沿った横向きの白い線(圧痕)があったり、舌の先や側面に歯の痕が付いている人は強く噛みしめています